界面活性剤ってどんな成分?
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ここでは界面活性剤について詳しく説明していきます。
Contents
界面活性剤とは
界面活性剤について詳しく説明します。
界面活性剤とは
界面活性剤には、自然界に存在する「天然界面活性剤」と、石油などの原料で人工的に作られた「合成界面活性剤」とがあるのです。洗浄・起泡・乳化・保湿などの作用があって、多くの日用品や化粧品に使われています。問題なのは、高い毒性・高い浸透性・高い残留性があるということです。身体に悪影響を及ぼし、また、下水処理でも分解・除去できないので、海や河川をも汚染する原因となっているのです。「合成界面活性剤」は2,000〜3,000種類くらいあると言われ、洗剤だけではなく、食品や薬、化粧品などにも多く使われています。
界面活性剤の作用とは
洗剤や洗顔、シャンプーなどに使われる、いわゆる「汚れを落とす洗浄作用」。そのようなものには、「泡立ちの良い起泡作用」のものが目立ちます。また、食品や医薬品、化粧品では乳化剤という表記で「乳化作用」として良く使われています。
例えば、ドレッシングは酢と油分で作られていますが、使用前は2層に分かれていて、使用する時に良く振って混ぜ合わせますよね。これが乳化ということです。でも、一時的に混ざり合いますが、時間が経つとまた元の2層に戻ってしまいます。界面活性剤はこのような、本来混じり合わない性質のものを長時間維持することが可能になります。ドレッシングに卵黄を混ぜるとマヨネーズのようなものができます。この卵黄に含まれているのが「レシチン」という成分で、界面活性剤の役割をするのです。
界面活性剤の種類
界面活性剤の種類は4種類に大別することができます。
陰イオン(アニオン)界面活性剤
水に溶けるときに疎水基がマイナスに電離する界面活性剤で、昔から洗剤に使われている石鹸やラウレス硫酸ナトリウムなどがこれにあたります。
陽イオン(カチオン)界面活性剤
陰イオンとは逆で、疎水基が+イオンに電離する界面活性剤であることから、逆性石鹸と呼ばれることもある界面活性剤です。マイナスに帯電している毛髪に強く吸着する性質があることから、洗剤ではなくトリートメントなどに利用されています。
両性イオン界面活性剤
水に溶けたときに液性がアルカリ性の場合はアニオン界面活性剤の性質に、酸性の場合ではカチオン界面活性剤の性質を示す両方の性質を持った界面活性剤で、主にシャンプーの補助的な活性剤として使用されます。
非イオン界面活性剤
水に溶けたときにイオン化しない界面活性剤であることから水の硬度や電解質の影響を受けにくく、他の界面活性剤とも相性が良いので、使い勝手がよく近年アニオン活性剤と同じぐらい使われている界面活性剤です。台所用洗剤や洗濯洗剤によく含まれています。
シャンプーに含まれている界面活性剤について
シャンプーにはどのような界面活性剤が含まれているのでしょうか?
シャンプーについて
シャンプーに使用される界面活性剤にはたくさんの種類があり、それぞれ違った性質があります。汚れの落ち方や、使用した後の感触などさまざまです。陰イオンの強さやPHによって脱脂力が変わってくるのです。
シャンプーの成分は、8割から9割が水と界面活性剤からできています。ですので、それぞれ、どんな物質が使ってあるのかはとても重要です。石油系の界面活性剤の場合、言い換えれば石油で髪の毛を洗っているようなもの。これでは髪の毛は傷んでしまいます。強い界面活性剤を含んだシャンプーを使用していると、脱脂の刺激によって皮膚のバリア機能を壊してしまうため、頭皮が荒れやすくなったり、フケの原因となったりというトラブルを起こすこともあります。しかし、界面活性剤は必ずしも悪いものではありません。シャンプーは汚れを落とさないといけないので、界面活性剤は不可欠です。なるべく髪の毛に対して負担が少ない界面活性剤を使用したシャンプーを選びたいものです。髪の毛の汚れが落とせればそれほど強くなくても十分な洗浄力を持ったものであれば良いのです。市販の安価なシャンプーの場合、使われている界面活性剤は洗浄力の強すぎるものが多いので注意が必要です
オーガニックシャンプーについて
オーガニックとよばれる自然派のシャンプーもありますが、これにも界面活性剤は使われていますし、洗浄力の強めなものが使われていることもあります。逆にそういうイメージ宣伝を使用しなくても、髪や頭皮にやさしいシャンプーというのはたくさんあります。重要なことは、シャンプーの洗浄成分にどんな界面活性剤が使われているかです。髪の毛のダメージを防ぐには、刺激の少ないアミノ酸系の界面活性剤を使用しているものがおすすめです。
まとめ
「合成界面活性剤」の多くは非常に機能性が高く、長時間安定した働きをするのにたいして、「天然界面活性剤」は、安全性は高いものの酸化されやすく機能が少し劣ります。これらのメリット・デメリットがあるということを、よく理解して使うようにするといいでしょう。